「あっくーん?」
「キモイ。」
[ あ ん な に ]
ジリジリとした陽射しの下で、ゴロゴロと寝転がるのは気持ちイイ事このうえないと思う。
だってねぇ、暑い日っていったらやっぱ睡眠だし。
でも、暑い日に寝るのってキモチイイよね、って言ったらあっくんは私に向って死ねって言った。
やっぱあっくんは、あっくんだと思った瞬間。
「キモイってヒドイよ、あっくん。」
「その呼びかた止めろ。」
「えぇー」
あっくんは煙草を地面に落として、足でグリグリとした。
煙草の葉っぱみたいなのがパラパラと散らばっているのをみて、煙草吸ってたのバレちゃうよと言ってみた。
けどあっくんはウルセェと私の意見をバラバラに打ち砕く。
そんなあっくんを真似て、私は自分の心をバラバラにしてみる。
「南君がねぇー…やっぱ私じゃダメだって言ったんだぁ。」
あっけらかんと言ってみるけど、実はスゴク哀しかったり。
だってねぇ、好き合ってたのに私じゃダメ、って何?って感じだよ。
好きなら好きでイイじゃん。
私は、あんまり頭良くないんだから難しい事は抜きにしてよ。
なんて言ってみても、南君とモトに戻るわけじゃない。
「私、何がダメだったのかなぁ。あんなに好きだったのに。」
チェッと舌打ちをして、あっくんを見る。
もう新しい煙草に火をつけてたらしくて、口元から紫煙が漏れる。
あっくんの唇は厚みがあるから色っぽいと思う。
そそられるって感じだ。
「そもそも、お前の言う『あんなに』が信憑性ねーよ。」
「え?」
私の口からは間抜けな声が漏れるけど、
そんな私を見て?あっくんは、その形のいい唇の端をクッとあげて笑った。
あ っ く ん が 笑 っ た よ ! !
私は嬉しくなってから哀しくなる。
だってねぇ、これでも一応心は雨模様だし?
雨模様?
「どうせ、ただの好奇心だったんだろう。」
「あっくんヒドイなぁ」
「うっせー、事実だろ。」
あっくんが不機嫌そうな顔をしたから、私はクスクスと笑う。
だってあっくんが不機嫌な顔をすると落ち着く。
不機嫌なあっくんを見ると、いつもと変わらないんだなーって思う。
だからあっくんが好き。
「あっくん。」
「んだよ。」
夏のような春のような、
なんとも言えない風が吹き抜けた。
「私、あっくんの事好きかも。」
「…ワケわかんねーし。」
そう言って2人は笑って、
そんな初夏の日の出来事。
2004/12/6
今は冬です。だけど亜久津との距離を書きたかった。
戻る