「何でアンタもそういう目で私を見の。」

少女は私のことを睨んだ。





[  い 、  す  ]





「初対面の人に『アンタ』って失礼よ。躾がなってないようね…」

私は鎖で繋がれた少女を上から見下ろした。
首輪に足枷をしている辺り、何処かの家に飼われているようだ。
やけに攻撃的な瞳は、野性的というべきか。


「私は大蛇丸。お前には名前、あるのかしら。」

座っている少女に視線をあわせる。
よくみると、両目とも奇妙な色の瞳をしている。
灰色というより、灰色と青が混ざったような奇妙な色の瞳だ。
奇妙な色なのにもかかわらず、人を引き込む強さのある色。



「アンタ、大蛇丸って言うのね。
 私に名前?あるわけないでしょ。…けど、御主人様は私をと呼ぶの。」

って私の昔の名字よ、と少女は付け足す。
少女の身体は傷だらけで、やけに細い。
真っ白な肌に、生傷が目立つ。白に赤に紫の絶妙なコントラスト。
自身を凝視されているのに気付いたのか、少女は言葉を口にする。


「身体中にある傷跡は、お仕置きの後。
 言うことを聞かない私に御主人様はお仕置きするの。」

少女に不似合いな子供らしい笑顔に言葉がでない。
『言うことを聞かない私にお仕置きする』なんて言葉、
普通のこの年頃の子なら言うはずない。見た限り、この少女は15、6歳だろう。
いったい、いくつの頃からこうして育てられたのだろうか。
少女はクスッと笑い、でも…、と言葉を続けた。



「でも、御主人様は気持ち良くなることもシてくれる。
 お仕置きしながら、たくさん気持ち良い事シてくれるわ。」

『我が侭で従順な下僕』、そういう言葉が妙に似合う。
攻撃的な瞳とは反対に、やけに素直な心を持つ少女。
『たくさん気持ちの良い事』という言葉がどれだけ危険な快楽なのかを理解していない。
その言葉がどれだけ危険で、どれだけ大人なのか解っていない。
けれど、普通の15、6歳の子よりも知力は劣っていて当然。
たぶん少女は、7〜9歳ぐらいからこの家で飼われているのだろう。
つまりは、7〜9歳ぐらいからこの生活をしていると考えれば、知力や常識がかけていて当然だ。




「私のトコロへ来なさい。」


気付けば、小さな少女の手を取っている。
しかし少女は『逃げれるわけないわ』と笑顔で返す。
私も少女と同じように笑顔を浮べ、簡単な術を使った。
私からしてみれば、難しくも何ともない簡単すぎる術。
すると、少女の首輪と足枷だけが綺麗に燃えてなくなった。
残っているのは、自由を与えられた少女。



「スゴいっ……」

小さく感嘆の声をあげる。
おそらく、忍術というものを始めてみたのだろう。
私はそんな少女の腕をひいて歩き出す。



「私の事は大蛇丸と呼んでくれてイイわ。」
「分かったわ、大蛇丸。」

少女が笑顔でいう。
首輪と足枷をしていたと言っても、
飼い主とセックスをしていたわけだから人間らしい歩行はできるようだ。
私はふと思い出したように少女の方を向く。








「今日から貴女の名前はよ。」



私の頭一個小さいは、『イイ名前ね』と微笑んだ。









2004/10/31
 オロ誕ですが、この話の続編を書きたいデス。というわけで書きます。